親父の隠れ家

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三十路を迎える親父が隠れて記事を書き始めました。

【転職後】リーガルチェックと社内交渉

営業職に異動(転属)してから一番苦戦したのは基本契約書における交渉とリーガルチェック。これまでエンジニアだったり事務職をやっていた僕にとって初めての経験で、且つ辛かったです。

 

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そもそもリーガルチェックとは

そもそもリーガルチェックってなんすか状態からスタートした僕だったのですが

 

リーガル→「法律上の」「法律に関する」

 

ということで、契約書の内容にリスクや不備が存在しないかの確認ということで読んで字のごとくの意味でした。

こっそりググりながら本当に恥ずかしくなりました。

 

基本契約書は企業ごとにフォーマットが違う

(「自社から先方へ人材を派遣させてもらう」という関係が前提)

自社のフォーマットを使わせてもらうのか、先方のフォーマットを使用するのか。

この交渉がしんどかったです。

 

そもそも公平公正な取引をする上で基本契約書が各企業ごとに違うというのも納得がいかないのですが…(この交渉が嫌いだからの不満)

 

当然のことながら各企業ごとそれぞれ自社に不利にならないような内容、更には有利になるような内容が契約書内に散りばめられているんですね。

なので自社のフォーマットが使えれば確認が少しはラクになったりするもんだからお互いに自分のところのフォーマットを使いたがったりするのです。

 

自社のフォーマットが使えない時はどうするのか

残念なことに自社のフォーマットが使えない場合は先方のフォーマットの内容を確認して、不利になりそうなところの書き換えや削除を交渉していきます。自社のフォーマットに記載のある書き方に変更してもらったりなんかもします。

 

書き換えや削除の依頼を出す際に、その理由(根拠)を提示しなければならないんですがその根拠がまともじゃなかったりするもんだから苦戦しました。

 

一例を挙げると、自社のとある条項のパーセンテージの根拠が「派遣法」に基づいているのかと思いきや「賃確法」だったりしたこともありました。賃確法なんか相手には全く関係のない話なのに、それを根拠にしちゃったりしてるもんだから何と言って交渉に取り掛かれば良いのか頭が痛かったです。

 

こうなってくると先方に要件を飲んでもらうよりも自社の法務と戦う必要が出てくるので代替案を社内で提示するのですが、代替案についても当然法律に基づいていなければならず、且つ納得させれるものでなくてはならないので調べまくります。例に挙げた「賃確法」の時は「商事法」に置き換えて交渉をしたのを覚えています。

 

逆も然りで、先方のフォーマットも内容の根拠が滅茶苦茶だったりするもんだから窓口になっている営業や担当者同士では「お互い大変ですよね…」なんて愚痴り合いながらやってました。

 

営業や担当者が窓口の時はまだ良くて、取締役や執行役員とやり合うことも多々あったのですが、これが気を遣うんです。こちらは一般社員、かたや相手はお偉いさん。しかもこちらは「お願いして派遣させてもらう」立場なので本来であれば強気で攻められなかったりするもんです。

 

この契約自体が「相手からお願いされて人を出す」のか「こちらからお願いして人を出させてもらう」のかで状況は大きく変わるのですが、割合としては圧倒的に後者の方が多いです。

 

にも関わらず法務や役員などは「先方の会社規模の方が小さいのに何故うちが条件を飲まなければいけないんだ?」と言ってくるわけです。

 

 

基本契約書の確認には時間もかかる

これにも非常に苦しめられました。

リーガルチェックの中で前述したような感じで苦しんでいたのですが、内容を詰めてからも大変でした。

 

僕が所属していた企業では、まず営業が確認をして事前に書き換えや変更や削除できる部分において交渉を進め、それらが完了したら法務に回すといった業務フローでした。

 

某システムで管理されており、PDFでアップロード後に「課長」「次長」「部長」「法務部長」「取締役」の承認を得なければならない。

十数ページの契約書内容を確認してもらうので時間がかかるのは仕方ないことだと思います。内容次第では自社に損害を与えかねないことからも慎重に確認されるのも分ります。役職者が忙しいのも分ります。

けど確認と承認申請をしてから一週間とか二週間とか平気で待たされたりするもんだから月末に新規企業を獲得すると参入時期の調整を含め滅茶苦茶になります。

 

ここで揉めると参入時期が後倒されたり最悪失注にも繋がったりもするので気が気じゃないです。

 

まとめ

既存企業では個別契約書の締結のみで済むのでサクサク進みますが、自社からは新規獲得をうるさく言われます。

 

ただ新規を獲得してもプロジェクトの蓋を開けてみると商流に既存企業がいたりして、その企業が上流にいたりすると下流よりも上流の方が当然単価が取れるので「その新規やる意味なくない?」みたいな流れになったりもする。

 

当然っちゃ当然の話なのですが、IT業界(インフラや業務アプリの開発など)の商流を突き詰めていくと上流にいる企業というのは大体決まっていて、しかもそれらの企業とは既にお付き合いがあったりするので新規をやる必要性が見えなかったりもします。

 

案件情報をもらって契約が見えてこないと商流が分からなかったりもします。

案件情報と最寄り駅だけでどこの案件かも分かったりもします。

 

商流については残念なことばかりではなくて、上流でNGが出てしまったエンジニアでも下流の企業から入ることが出来ちゃったりもします。

こういったケースは社内での交渉もとてもしやすいです。

「彼、この現場で決められなかったら待機してしまいます。他の現場でもNGばかりでコミュ障の彼を拾ってくれるのはここだけなんです」みたいな。

 

 

そんな「なんでこんな奴を雇ったんだ?」なんて思われる人材が多数おりましたが、所属していた企業は東証一部であることに変にプライドを持っている企業で、先方の規模などもうるさく言われました。

これが一部上場に恥じないスキル感のエンジニアがいるのであればまだしも、戻ってきてしまうのはロースキル、もしくはクレーム撤退をさせられるようなエンジニアばかりなので始末が悪い…。

 

そうした状況下でリーガルチェックやそれに関する社内交渉と時間に追われるのです。

それも一社だけでなく同時に数社走ったりしてるのでグチャグチャでした。

 

これからこの業界に行こうとしている人はこうした状況なのも覚悟しておいた方が良いかもしれません。