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親父の隠れ家

三十路を迎える親父が隠れて勉強を始めました。

ビジネス実務法務検定3級「先取特権」(私法人の種類)とは

資格 法律 ビジネス実務法務検定

ここでは「ビジネス実務法務検定試験3級 公式テキスト【2016年度版】」の索引にある「先取特権」の用語について記載しています。

 

 

先取特権とは

先取特権とは、法律で定められた債権を持つ者が、債務者の財産から他の債権者に優先して弁済を受ける権利をいう(民法303条~341条)。

 

例えば会社が従業員に対して50万の未払給料があり、別に銀行から1000万円借り受けていた時点で、営業不振で廃業する際に、100万の財産しかなかったとする。

 

この場合、従業員は、銀行に優先して、100万円の中から50万円の弁済を受けることができる(民法308条)。

 

また、家屋の建築請負工事をした請負人は、工事代金不払いの場合、その建物の売却代金から優先的に工事代金を受け取る権利を有する(民法327条)。

 

先取特権には、一般の先取特権(民法306条)・動産の先取特権(民法311条)・不動産の先取特権(325条)がある。

 

実務上、先取特権による債権回収の実益があるのは動産の先取特権であり、
その中でも動産売買の先取特権には注意すべきである。

 

 

 

◆動産の先取特権

a.動産の先取特権とは

動産の先取特権は、債務者の特定の動産を目的とする先取特権のこと(民法311条)。

動産の先取特権は8種類あるが、その中で、特に動産売買の先取特権は債権回収の実務において重要である。

 

動産の先取特権を実行するには、対象動産の所在地を管轄する地方裁判所の執行官に対し動産競売申立てを行うなどの方法がある(民事執行法190条)。

 

執行申立てに際しては、従来、担保権実行の目的物である動産を提出するか、動産の占有者が対象物件について差押えを承諾する旨の文書を提出することが必要とされていた。

 

しかし、、現在は執行裁判所の許可による競売開始の制度が認められており(民事執行法190条2項本文)、担保権者が担保権の存在を証する文書を提出して競売開始の申立てをした場合には、執行裁判所は、当該担保権についての動産競売の開始を許可することができる。

 

 

b.動産売買の先取特権

動産の売主は、公平の原則に基づき、その売買代金および利息について売り渡した当該動産の上に先取特権を有す。

 

もっとも、債券回収の実務において、この先取特権が効果を発揮するのは、売主が代金の支払いを受ける前に、買主に対し引渡しの先履行をなしている場合。

 

引渡し前であれば、同時履行の抗弁権(民法533条)あるいは留置権(民法295条1項)により、売主は代金の支払いと引換えでなければ引き渡さないと主張することによって売買代金債権を確保できるからである。

 

なお、債務者が目的動産を第三取得者に引き渡した場合は、先取特権はその目的動産に効力を及ぼし得ない(民法333条)点に限界がある。

 

 

 

引用:

東京商工会議所編 ビジネス実務法務検定試験3級公式テキスト【2016年版】」より