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親父の隠れ家

三十路を迎える親父が隠れて勉強を始めました。

ビジネス実務法務検定3級「遺産分割」「遺産分割協議」とは

ビジネス実務法務検定 法律 資格

ここでは「ビジネス実務法務検定試験3級 公式テキスト【2016年度版】」の索引にある「遺産分割」「遺産分割協議」の用語について記載しています。

 

  • 遺産分割
  • 遺産分割協議

 

◆遺産分割

「遺産分割」とは、被相続人が残した相続財産(遺産)をそれぞれの相続人の相続分に応じて分割することをいう。


被相続人が遺言で分割の方法を定め、または、これを定めることを第三者に委託したときはこの遺言に従って遺産分割を行う(指定相続分、民法908条)ことになる。

 

遺言のない場合、あるいはその遺言が無効である場合には、遺産分割協議による方法、
遺産分割の調停または審判を申し立てる方法、訴訟による方法で遺産分割を行うことができる。

 


(1)遺産分割協議

遺言のない場合は、共同相続人は協議により、遺産の分割を行うことができる(民法907条)。この協議を「遺産分割協議」という。

 

この遺産分割協議の成立には、共同相続人全員(相続を放棄した者は含まれない)の合意が必要であり、これに反する遺産分割協議は無効となる。また、遺産の配分方法や相続の割合は、まったく自由に定めることができる。

 

遺産分割協議が調った(ととのった)場合、遺産分割協議書が作成される。

 


(2)審判分割と訴訟手続による分割

共同相続人間で協議が行われないとき、または協議をすることができないときは、共同相続人は、家庭裁判所に遺産分割の調停または審判の申立て、あるいは民事訴訟による遺産の分割を請求することができる。もっとも、実際上、訴訟制度が利用されている例は比較的少数である。

 


a)審判分割

共同相続人間で協議が調わないとき、または協議することができないとき(相続人の一部の者が行方不明その他の事由で事実上協議が不可能である場合や、共同相続人の1人が
遺産を独占して協議に応じない場合など)は、、各共同相続人は、家庭裁判所に遺産分割の調停または審判の申立てを行うことができる(民法907条2項、家事事件手続法別表第12項)。

 

審判分割の申立てをすることができる(申立権者)は、共同相続人、包括受遺者(ほうかつじゅいしゃ)、相続分の譲受人、相続人の債権者(民法423条)である。

なお、調停は相手方の住所地または当事者が合意で定める家庭裁判所(家事事件手続法245条)に、審判は相続開始地(被相続人の最後の住所地)の家庭裁判所(家事事件手続法191条)にそれぞれ申し立てする。

 

または、審判分割では家庭裁判所は、指定相続分あるいは法定相続分を基準に分割割合を決めるのが原則。しかし、相続人の中に、例えば被相続人から遺贈または生前に贈与を受けていた特別受益者(民法903条)や、労務の提供・療養看護等の方法により、被相続人の財産の維持または増加について特別に寄与した特別寄与者(民法904条の2)がいることもある。

 

この場合、相続人間の公平を図るために、それらの特別受益分・特別寄与分は相続財産の分配において考慮される。

 


b)訴訟手続による分割

遺産分割の際には、その前提として相続人の範囲、遺産の範囲等が明確にされている必要がある。
また、審判を行うには、特別受益者・特別寄与者の有無・額により修正された具体的な
相続分が確定されていなければならない。
そこで、このような点につき争いがあり、相続分を明確にあるいは確定ができない場合には、通常の訴訟手続によることになる。

 


(3)遺産分割に関する登記手続

審判による遺産分割終了後、ある相続人が不動産の所有権を取得した場合は、
その単独名義で登記することになる。

遺産分割の登記をする場合は、登記原因を「相続」、その日付を「被相続人死亡の日」として、所有権移転の登記をする。そして、この場合には、取得者が単独申請することができる(不動産登記法63条2項)。

 

登記申請書には、相続を証する書面(遺産分割協議書等)、印鑑証明書を添付し、
不動産所在地の登記所に申請する。

 


(4)遺産分割の効果

遺産分割が終了すると、相続開始の時に遡って、各相続人が分割された遺産や権利義務を承継したことになる(民法909条)。

なお、相続では被相続人に帰属していた権利義務を包括に承継するので、被相続人が多額の債務を抱えて死亡した場合、その債務は全て相続人に承継されるのが原則。

 

したがって、被相続人の債務については、債権者の意思を無視して債務者たる相続人だけで自由に協議分割することはできず、このような協議をしたとしても、債権者は拘束されず、各相続人の(法定)相続分に応じて履行の請求ができる。

 

債務について、実際には、各相続人と債権者を交えて特定の相続人に各相続人から債務を集中する債務引受け(免責的債務引受け、または併存的債務引受け)が広く行われている。

 

 

 

引用:

東京商工会議所編 ビジネス実務法務検定試験3級公式テキスト【2016年版】」より